【 努力賞 】
【 テーマ:多様な働き方への提言】
介護を通して見えてきた働き方
福岡県  野 口 栄 子 48歳

子育てや介護等で働き方の多様性が必要になっている現代で、どうやったら「働くこと」に対してその人の置かれた状況に応じて、ピッタリと希望通りの条件で向き合うことが出来るのだろうか。

 現在私は介護でアルバイト生活の身になってしまった。介護といっても重度ではなく、身の周りのことや家事等をする程度の軽度の状態であるが、それだけでも負担を大きく感じる時がある。働きながら同時にしなければいけないとはと愚痴の一つも出てくる日もある。「介護離職」の問題がニュースになっているが、これは実際体験してみないとその大変さが理解出来ない問題だと思う。「働くこと」はお金を得るだけでなく、自己実現のために必要不可欠なことである。「働くこと」で社会とつながっているのだという実感も湧いてくる。今、短時間でも働いていることに対して有難さと喜びを感じている。

 今思うことは、短時間でも働ける職場がこれから今以上に増えていったら、それだけ選択肢が多くなり、もしその職場に適性が合わないと思ったら、次にいけるという安心感も得られるので、色々な職種で短時間の求人を考えてほしいということである。それと同時に働く日数もその人の状況に応じて、週1日から等融通が利く職場であることも大切だと感じる。「働くこと」で社会とつながり、役に立っているのだという喜びも生まれる。今、働くことで、働く喜びを感じている。仕事を辞め家のことだけに専念した数年間はやはり、味気ないものだった。

 子育てや介護で働きたくても働けない人達が、一人でも多く働けるように理解ある職場が増えることを切望している。ただ、そういう状況で働く人達を物や歯車の一つと思い、採用する職場は願い下げである。その人らしく働くことが出来る社会を切に願う。

戻る