【 努力賞 】
【テーマ:働くこと・職探しを通じて学んだこと】
派遣社員として働くことを選んだ

〜 夢を叶えるための道 〜

愛知県  藤 田 卯 月  25歳

私は社会人3年目です。大学卒業後はある企業から望まれて就職しました。仕事は、テーマパークでの企画立案と営業でした。入社の条件は、1年後の正社員雇用を前提とした契約社員でした。それでも私にとっては不安よりも夢が勝っていた新社会人の第一歩でした。

[社会人1年目]

仕事は過酷でした。その企業では契約社員でしたが、正社員以上の仕事量に加え、早朝出勤、最終電車で帰宅する日々の連続。給与も手取り15万円弱で一人暮らしには厳しい。さらに、直属の上司からのセクハラ、パワハラ(後に聞いたところでは常習者でした)が日毎に酷くなり、我慢の限界を越えたときに、周りの助けもありその上司と闘うことにしました。結果、上司は職場の移動、降格という処分となり、私と同じような境遇にあった先輩たちから多くの感謝を頂きました。

しかし、勤務時間や私自身の先行きの見えない状況は変わりませんでした。

大学卒業にあたって私には大きな夢がありました。私はその夢に近づくために就職しました。社会人になり、仕事をしながら夢の実現のために勉強をするのだと意気込み、大学を卒業しました。

意地と、企業の採用担当者に申し訳なく、仕事を続けました。同時に、同期入社や先輩社員も次々に力尽きる形で退職しました。意地とは、理不尽とも言える辛さから逃げたくない、今の仕事はいつか必ず自分の夢の実現に役立つはず、という思いでした。

[初めての退職、そして新たな働き方の模索]

先行きの見えない生活に耐えきれず、1年間逃げずに勤めたこと、その二つをもって新卒で就職した会社を退職しました。不安の中で、『フリーター』を選択。夜勤と日勤のダブルワーク生活が始まり、収入は前職よりも良くなりましたが、不規則な時間帯でのダブルワークが影響し体調を大きく崩す結果となり、将来の生活像が全く見えなくなりました。

[派遣社員という選択]

この2年間で「いつまで経っても自分の時間を持てない、将来の夢に辿り着けない」と思いました。毎日先の見えない仕事に追われ、休日は仕事の疲れを取ることに必死になり、プライベートでやりたこともできない現状にストレスだけが溜まっていきました。

精神的にも行き詰まり次の転職先を決めなければという思いが募りました。転職の条件は、@定時退社し自分の時間が確保できる、A肉体的な疲労が少ない、B一人暮らしが成立する収入、でした。その条件に見合ったのが派遣社員でした。

現在、ワークライフバランスが成立しやすい職種は派遣社員と言われています。派遣社員として働き出してからは、退社後に平日でも、自分の時間と体力を温存でき、充実した日々となり、余分なストレスも無くなりました。

「非正規雇用」である派遣社員は、不安定な職種として見られていますが、自分のライフスタイルを確立出来る職種だと思います。派遣先の仕事はあくまでも生活費を稼ぐための手段であり、本当にやりたい仕事のために平日の夜と休日をその時間へ充てるというライフスタイルが出来上がりました。それ以外にも、多くの職種を体験し、キャリアを積みたい人や子育てしながらもある程度の稼ぎが欲しい人にも適していると思います。

正社員であれば、賞与や様々な福利厚生といった嬉しいオプションがついてきますが、それ以上の仕事量と責任がついて回り自分の時間を取れないのが現状です。一方、オプションは劣りますが、派遣社員として働くことで自分のライフスタイルを手に入れ、やりたいことが出来ている今が一番幸せです。

そして、やっと学生時代に描いていた自分の将来像を考える余裕が生まれました。私の実家がある高齢化の著しい地区での地域マネジメントです。「働くって」とは、私にとって、私自身と私の周りの人たちを幸せにするために、進み続けるものであると今、強く思うようになりました。

戻る