【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、こんな夢をかなえたい】
バラ色の未来
和歌山県 柏 木 仁 美 62歳

私は20歳で短大を卒業してから、現在の62歳に至るまで、ずっと仕事をしてきました。今も、4件の 仕事を掛け持ちしています。メインは、スーパーの清掃、そして、清掃収納マイスターという資格を取 得したので、一般家庭の掃除の仕事もふえました。他には、足裏マッサージ、シルバー人材センターよ り公園にあるトイレの掃除など、毎日、大忙しです。暑い中、自転車で走り回っているので、首も手も 日焼けで真っ黒。ただ、私にとっては、ラッキーな事に、顔だけは日焼けしないので、色白のべっぴん さんと呼ばれています。

そんな私ですが、最近、同僚が急に仕事をやめました。肺を悪くして、1ヶ月ほど入院しているうち に、体力がなくなったそうです。

私は、元気で働ける事の幸せを痛感しました。“人生、生きてるだけで丸もうけ。” 本当にその通りだ と思います。“頑張れ、頑張れ” 辛い時、悲しい時に、ずっと自分をはげましてきました。そして、長い 長い月日が過ぎました。そんな中で、私は、今まで捜し求めてきた人生の最終目標にたどり着きました。

それは、これから、10年ほどかけてお金をためて、マッサージのお店をもつ事です。何年も前からの夢 でした。それが、やっと実現に向かって、今、動き始めました。出来るか出来ないか、人生をかけた大 勝負です。でも、私は、その夢のために、余り無理は、したくありません。なぜなら、これから、だん だん年齢を重ねていくと、出来ない事がふえてくるといいます。病気になったり、怪我をしたりすると、 今までしてきたすべての事が、水の泡となってしまうからです。今、すべてが、順調です。5年前に再 婚をし、やさしくてまじめな主人と一緒に暮らしています。遠くから見守ってくれる主人です。だから、 こんな大きなチャレンジもできるのかもしれません。私の大好きな森昌子さんの歌ではないけれど、還 暦を過ぎた今、バラ色の未来が待っているような気がします。今までずっと、仕事に重点をおいて、せっ せと働いてきましたが、これからの人生は楽しく暮らしたい。そんな中で、私が今、胸の中で描いてい る夢をかなえる事ができたらいいな......と思います。

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