【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事探しを通じて気づいたこと】
幸せを見つける働き方
神奈川県  わ か 子  36歳

若者よ。

働く意味ってなんだろう。夢を叶えた人ってどれだけいるの?叶えられなかった人は不幸だと思う?


私が就職したのは15年前。入社した会社では希望職種につけませんでした。

子供の頃から学者や研究職・開発部門に憧れていたのに、営業販売部門だったから。


結論から言えば、現在でも夢見た職種についていませんし、その予定もありません。でも私は、働く意味も目標もはっきりしていて充実していると断言できます。

まだまだ36歳の若輩者ですが、未来溢れる若者達へ「幸せを見つける働き方」を伝えたく筆を取りました。


前述の通り、学生時代は理系に進んだものの、入社一年目の仕事は販売でした。与えられた仕事に対しては努力するし、結果もそれなりに出しましたが、望んでいた「やりがい」は感じられませんでした。自分で出した結果より、希望の職種に就いた友達ばかり見ては羨ましいと考えていたのです。

入社して数年目、当時の社内では珍しい女性営業職へ栄転します。仕事内容がガラリと変わっただけでなく、残業の多い部署で仕事は常にいっぱいでした。

確かに「やりがい」はある。失敗も経験も沢山積める。そして他人を羨む暇も、アフター6も無くなりました。


そんなある日誰かに言われます。

「会社は使えるだけ使うからね。自分を守るのは自分だけだよ。」

そして別の日は誰かにこう言われました。

「20代の人生を捨てて仕事に捧げてくれ。」


結局、体力気力が持たず2年程で異動願いを出してしまいました。

元の部署に戻してもらい、後に結婚、退職。

どうして自分の仕事が天職だと思えなかったのかな?

それは「会社」に対し、理想の仕事に「就かせて貰う」事に「期待」しているだけだったから。


時が経ち、現在親の事業を夫婦で継承中です。結婚当初は予想もしていませんでしたが、後継者問題の背景等もあり決断しました。

私の役割は事務全般ですが、小さい職場なのでトイレ掃除も私の仕事。でも従業員が気分よく働ける職場にする事を考えれば、掃除でもどんな些細な仕事でも、自然と前向きです。

従業員と共にこの事業を全うする事が目標となり、その為ならば仕事の大小や華やかさは関係なく、全てに意味を感じるのです。


理由はこの事業が安泰だからではありません。むしろ不安な事、課題や不確定な要素は探せばいくらでも見つかります。

誰かに「期待」する時間は1分もなく、問題は1つずつ自分で解決するしかありません。問題の専門知識がある無いに関わらずです。しかし、そこにあるのは「辛い」ではなく「やりがい」でした。

こんな心境は、就職活動時には全く想像がつかないものでした。


若者よ。

あなたの見ている世界は広くて浅い。地上で色んな物を見渡して、地表に見える美しさだけに気を取られて羨んでいる様なもの。

誰かに「期待」し、既に整った環境を「与えられる事」を求めた場合、その希望が叶うのはごく一部で狭い道でしょう。


でもあなたの足元を堀り続ければ、ダイヤモンドや石油や温泉源が見つかるかもしれない。

それは掘ってみないと分からないもの。

自分の「目標」の為に行動した結果、掘り当てたダイヤモンドがどんなに小さくても、とても幸せに感じるでしょう。それどころか、足元に埋まっているものが何であっても、「自分」で掘った結果なら、それなりに楽しめるかもしれません。


学生時代は、受験や就職活動等の一発勝負で将来が決まってしまうという固定観念を持つものです。だから表面的な要素に理想を持ちます。でもそれは間違いです。


人生は七転び八起き。

理想通りに行かなくて気力を無くしそうになっても、諦めずに何か自主的に行動してください。その内、思ってもみない事に「生きがい」を見つけるかもしれません。

幸せは「与えられる事」より「与える事」の方が見つけやすいものです。


貴方達なりの幸せな働き方を見つけて欲しい、心からそう願っています。

戻る