【 佳   作 】

【テーマ:仕事探しを通じて気づいたこと】
働き方と働く意味の変化
日本大学商学部  内 田 海 斗  19歳

近頃、働くということへの興味が増してきた。それに伴い、自分に合う仕事を探すことや、働くとはどういうことかについて調べることが増えた気がする。そんなことをしているからだろうか、どうやら今、働き方、働く意味というのが再定義されつつあるのではないかと感じるようになった。

その根拠としてまず挙げられるのが、各界で終身雇用や新卒一括採用の見直しが図られていることだ。これらが示唆するのは新卒で内定を得ることの意味が薄まり、定年まで同じ会社に勤めることが難しくなるということである。今起こっているこの変化は、雇用の流動性は高まりつつあり、個々人は自分の能力を時代に合わせて常に変化、成長させる必要性が出てきていることを意味する。その上で、ある職場に依存する旧来の働き方だけではなく、転職や副業、仕事と学習の両立を図るといった働き方の再定義が起こり始めているように感じる。

加えて今日、仕事探しをする上で忘れてはいけないのがAIやロボットの存在だろう。これらの存在はしばしば人間の職を奪うものとして挙げられるが、今現在、AIやロボットに任せられる仕事は効率性を求められる単純作業や大量のデータを処理する仕事までである。しかしながら、これによって失われる仕事もあり、その規模は今後拡大すると言われている。こうした変化により、前述したように我々が働く意味というのも変わってきているのではないかと感じる。例えば、現在、室内においてAIによる品質管理とロボットによる収穫作業による野菜販売を試みる企業もある。これは、生活するために欠かせない食分野の仕事がAIやロボットによって助けられている一例であり、生活するための仕事の減少と、それに伴う働く意味の変化が起こり始めているといえよう。

では、働く意味はどう変わっているのだろうか。私が考えるに、働く意味というのはこれまでのような生活のために働くというよりも、個々人が自己実現といった自発的に生じる欲求を満たすためへと変わってきているのではないだろうか。もちろんこれまでも生活のためだけでなく働く人がいたわけだが、その割合が増えるということである。

上述したように、仕事探しや働くことについて調べていると、いろいろな変化がどの企業、どの組織でも起こっており、働き方や働く意味にも変化が生じているように私の目には映った。そういった意味では仕事探しや働くことについて調べることから気づきが得られたといえるだろう。

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