【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
働くとは
島根電工株式会社 西部支店 工務課  石 橋 和 希  21歳

私は専門学校を卒業し建設業という業界に入りました。専門学校で電気を専攻していたということもあり、電気設備工事の会社に就職をしました。専門学校では、電気の知識を身につけるというよりは、電気工事士の資格取得という目的のために試験に受かるための勉強をしていたため、現場で生かせる専門知識はあまり頭に残ってなかったというのが正直なところです。そのため就職して一番に感じたことは、実際現場へ行ってみて資格はあるものの、何の知識もない、何をしたら良いのか全く分からない、自分が想像していた仕事とはかけ離れたものでした。

「せっかく専門知識を得られる学校に通っていたのに、もっと色々と勉強しておけば良かった」と後悔の念を抱きました。学生時代はアルバイトを経験していたこともあり、アルバイトの延長みたいなものだろうと考えていました。しかし、その考えは甘いものだったとすぐに実感しました。アルバイトでは、お客様に失礼な対応をした時や、ミスを犯した時でも「すみませんでした」と謝れば済むし、上司や責任者が対処してくれたので自分で責任をとることもなく、罪悪感を覚えることもありませんでした。「所詮身分はアルバイトだし、お客様にどう思われようが自分には関係ない」と思って働いていました。そこには責任感のかけらもありませんでした。

しかし、就職したその日から、イコールお客様は電気工事のプロとして見られているという現実にぶつかりました。自分の対応や行動の一つひとつが会社の信用につながり、無責任な発言や行動を起こすことで、今まで諸先輩方が作り上げてこられた会社のイメージに傷をつけ、信用を無くしてしまうことになるのだと知りました。そのせいで、お客様を逃してしまうこともあるのだという怖さも感じ、正社員で働くということは『責任感』を持たなければならないのだと理解しました。就職して1年が経過しましたが、この一年、とても短く感じました。そして、何か成長した部分があるのかと聞かれても、答えることができません。このような感覚を打破して、学生時代の二の舞になってしまわない様に努める必要があります。仕事の意味を考え、気持ちを高く持ち、日々の業務に取り組むことで、自分自身のレベルアップとキャリアアップにつながるのではないかと感じ始めたところです。

自分と同じような若い社員が、すぐに会社を辞めてしまうというのをよく耳にします。そのことについて自分なりに考えてみますと、明確な目的もなくただ会社へ行き、普通に仕事をして家に帰るという日々の繰り返しになってしまうと、何のために仕事をしているのかと疑問が生じ、生活自体が楽しくなくなり、仕事が自分に合っていないのではと感じるようになり辞めてしまうのではないかと思います。そのような考えに陥らないためにも、自分の置かれた立場を理解し、仕事に興味を持ち、周囲の人とのコミュニケーションを活発にし、疑問や悩みがあれば、すぐに相談を持ち掛けられるような人間関係の構築をする必要があります。そのような行動を心掛けることで、おのずと仕事のやる気が沸き、生活そのものが楽しくなるのではないでしょうか。

仕事をする中で非常に多くの人と関わるようになり、多種多様な考え方があり、自分では思いもつかない考えなどを得られ、毎日が勉強です。ある時「分からないことが恥ずかしい」と言った時、「最大の防御は自分の知識を増やすことだ」と言われました。この言葉が胸に刺さり、恥ずかしいと思うことを少しずつ減らせるように、知識を得る努力を惜しまずいこうと思います。働くことは生活をするため、生きていくためでもありますが、多くの人と関りを持ち、様々な考えがある事を知り、その中からこれから生きていくヒントを得て、人生を豊かに、そして楽しく幸せに過ごしていきたいと思います。

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