【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事探しを通じて気づいたこと】
いま、始めます
日本大学商学部  張  朝 青  23歳

2015年、就職活動が始まる前の年、同級生がワクワクしながら就職活動を準備し,学生最後の思い出を作る姿勢を見た私は「逃げた」。

勉強は得意とは言えないが真面目だった。小さい頃から親と先生から言われた事に従ってきた。周りからよく「いい子」と言われて来たけれど、「就職」というものを考えると気力が無くなり、ついていけなかった。家族が支えてくれたことをきっかけ日本に留学する事を決めた。

日本に到着した日は天気が良く、以前にはないスッキリした感じを持った。未知に溢れている未来を想像しながら、家族と離れ離れの学生生活が始まった。二ヶ月経って、周りの環境にも段々慣れて来たが、同時に孤独感や生活の負担を感じて、外に出る事を余儀なくされた。母国で仕事もアルバイトも経験が無かったので、恐れを抱きつつアルバイトを探した。初日の研修は不安ばかりであった。もしあの日の私に「働くって何だろう」と聞いたら、「恐れを克服する事」と答えるだろう。

研修が終わった翌日、実際に現場に立つと、最初はなかなか想像通りにいかなかった。顧客に話しかける事が出来なくて、一人で何度も繰り返し練習し、勇気を出して前に進んだ。顧客に話しかける事が出来、そして頑張って話し、顧客が喜んでくれた時、抑えられない程嬉しく思ったことを今だに覚えている。初めて仕事にやりがいを感じた。あの時の私が思った働くっていう事とは、「自分を乗り越える」である。

「働く」という言葉にはいくつかの意味がある。動詞にすれば、「人が毎日動くこと」と解釈され、「仕事」という言葉に変えると、「組織」「場」というキーワードが頭に浮かぶ。

これは人によっても違う。家族に聞くと「君たちを幸せにしたい」、先生に聞くと「子供たちの成長を支えたい」、友達に聞くと「やりたい事をやれる」...... 働くっていう事は、自分の夢を叶える事である。自分の経験から見ると、一番難しいのは「はじめ」、両手で抱えるほどの大木でも、毛先ほどの小さな芽から成長し、九層にも及ぶ高台も、小さな土を重ねることから着手し、千里の道のりも足下の一歩から始まる。働くことは、新し自分に出逢う;色々な経験を通して、視野を広げる機会であり、自分成長の源泉になる。

ですから、今、始めます。

戻る