【 努力賞 】
【テーマ:私が今の仕事を選んだ理由】
自分の限界はどこでしょう?
徳島県 吉田理香 50歳

結婚・出産を経た女性が仕事を続けるにはどうしたらいいか。

残念ながら、その時いた職場では、やめなければいけない空気がありました。その時、今の職場に先に入っていた先輩から声がかかり、転職しました。
産休の経理社員の代わりに入社しました。その方が復帰する頃に、「営業」をしてもらうかもしれない。そう言われていました。
法人向けの通信機器を売る仕事でした。私にできるだろうか?
やってみなければ分からない。とりあえず、やってみないと分からない。まるで買ってみないと宝くじも当たらないみたいなノリで営業職を始めました。

いろいろな事を覚え、最初の難関がやってきました。
双子を妊娠していた私は、定期健診で、切迫早産疑いで、即入院。
それから3年間、家にいて育児をしました。待っていてくれた会社には感謝するとともに、育児もしたいと思っていましたので、とても恵まれた職場と言えるでしょう。

3年後に職場復帰したものの、ペリーの黒船状態で、世間ではウィンドウズ98という新しいOSを搭載したパソコンが広がりつつありました。

パソコンさえ使えない。でも使えない事には話になりません。毎日2時まで独学で勉強しました。何回OSを入れなおしたかわかりません。
でも、これをしなければ、前には一歩も進めない。
自分への挑戦がこの時から始まっていたのかもしれません。みんながウィンドウズを使うなら、私はマックをマスターしよう。

やがて世の中は、ブロードバンドインターネット・IP電話・ひかり電話の台頭と次々と変わっていきました。

ただ通信機器だけ売っていくのではない。線は繋がっていきます。電話の上に、ナースコール、拠点間の内線直通電話、放送、無線、ネットワークカメラ、この先、通信はどこまで進んでいくのか、それは、私が今後もどこまで進めるのか、意味合いは少し違いますが、仕事をする、という事は、自分への挑戦だと思います。
幸いなことに通信の将来はこれからも他の物と融合しながら、発展いていくことと思います。覚えてくことは多く、しかしながらそれに関わっていることは時に楽しいことでもありました。

今年も酷暑です。飛び込み営業はハッキリ言って体に答えます。あまりの日進月歩な通信機器業界、深夜・休日出勤・休日対応その他もろもろ、このままでは自分の体力も持たないのでは、当初目標としていた50歳を私も超えました。
この先も挑戦は続きます。お客様と会社に育てていただいた、人間として成長していける、それはこれからも、営業とはそんな仕事である、仕事をする、という事は自分への挑戦かもしれません。
ただの自己満足ですし、苦しい事の連続ですけれど、いつかこれが当たった宝くじになると信じて、歩いていきたいと思います。
人の役に立てるとか、そんな立派な仕事ではないけれど、どこまでやれるのか、また、やれないのか、それを探ることがとても楽しいです。

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