【 入 選 】
私は現在非正規雇用で働いています。婚約し旦那の希望で激務の職場から定時に帰宅ができる現在の仕事に転職しました。
初めての非正規雇用の職場でその扱いに愕然としました。早い話が一部の正規職員から非正規雇用は仕事のパートナーではなく、恋人もしくは嫁さん候補として扱われているという事実。
私は在職中に長年お付き合いしていた男性と入籍し式を挙げることになったのですが、複数の職員から嫌味を言われました。中には式の前日に式を挙げることについて否定的な意見を言ってきた者も居ました。それまでは割と良好な関係を築いていたにも関わらずです。もちろん全ての職員ではありませんが大多数の方が結婚報告をした時点で手のひらを返してきました。
挙式後は仕事を辞めろというプレッシャー。辞めないと分かれば専業主婦になれないんだ?との嘲り。一度強い言葉で返したのでそのような発言は無くなりましたが、問題化するのを避けているだけで認識は変わっていないのでしょう。
そして現在私は妊娠しています。人事に伝えたところ、やんわりと退職を勧められました。産休取得制度があるにも関わらず。
以前産休を取得した非正規雇用の方がいらっしゃったようですがマタハラによって泣いている姿を見たとの話を聞きました。それどころかその方が産休を取得したことに対して苦言を呈する職員や同じ女性である非正規雇用の方を実際に見てきました。
これでは何のための産休取得制度なのでしょうか。権利として認められている事が主張できないのであれば、その制度は無いのも同然です。
これは人員に余裕のない中小企業の話でも、旧態依然体質の大企業の話でもありません。具体的な省庁の名前は伏せますが国の機関での話です。
安倍首相は女性・少子化対策に力を入れてらっしゃいますが、国の機関からしてこのような状態では結婚や妊娠した非正規雇用の女性が職場で輝けるはずがありません。
ならば正規職員になればいいと思われるかも知れません。確かに女性の正規職員の扱いは手厚いですし、それは致し方ないことだとは思っております。しかし正規職員は産休を取得して良いけれど非正規雇用は取得せずに(もしくは結婚した時点で)退職するべきではあまりにも扱いが酷すぎると思うのです。結婚・妊娠した女性は嫁さん候補にならないのだから早く辞めてくれと言っているようなものでしょう。
ちなみに全ての職員にコンプライアンス研修が課されておりますが、非正規雇用者の扱いについては盛り込まれておらず野放しの状態です。
このような状況を経験した私が非正規雇用について訴えたいことというのは、正規雇用も非正規雇用も雇用形態は違えど同じ人間として扱って頂きたいということです。いくら非正規雇用だからと言ってひどい事を言われれば傷つくのです。正規雇用でない人間だからと言って馬鹿にしたり無下に扱うのは辞めていただきたいということです。相手の気持ちを考えればそのような発言は出てこないはずなのですから。