【 佳 作 】
最近、安倍内閣の打ち出した政策“アベノミクス”により、経済状況が良くなっているという話しをよく耳にする。私はまだ高校生であり、親に養ってもらっている身のため、あまり実感はわかないが、この政策の効果が随所に現れているようだ。
例えば、賃金の引き上げが過去最高水準であったり、女性就業率が78万人増加したり、また、完全失業者数を61万人減少させたりなど著しい改善を見せている。
しかし、私は知ってしまった。私の母の友人が子育てを理由に退職をしたのだ。彼女いわく、娘の習い事の送迎や母親の介護で手いっぱいになってしまい辞めることを決意したそうだ。私の母との会話の中で、
「主人にも相談したんだけど、お前が家庭を理由に仕事を休んだり遅刻してたら迷惑になるだろうって。だったら家にいろって言われちゃってさ。本当は辞めたくないし、娘がもう少し大きくなったら復帰したいけど、まあ無理よねえ」
と言っていた。そして私に向って、
「あなたにもいつかこんな風に悩み苦しむ時が来ちゃうのね。なんだか悲しいわね」
と半ば自嘲するように呟いた。
私はなぜ仕事と子育ての両立ができないのかと考えた。その理由には個々の背景もあるが、私は社会が“女性との両立”をしきれていないせいであると考える。古来からわが国では、男は仕事、女は家庭という考え方があり、男女共同参画社会が施工さされた今日でもなお、その考え方は深く根付いている。もっと言えば、縄文時代や弥生時代の時からその思考であるのだから、その概念を変えることは容易ではない。
昔から社会は男のものであったのだ。それが、いつからか女性も社会進出するようになり今に至るのだ。つまり、“社会”が“女性”に対して上手く向き合えていないというのが現状だ。この状況を打開するにはどうしたらよいか。私は思いついた。
学生時代の頃を思い出してほしい。学級代表というクラスをまとめる責任者が男女一名ずついただろう。1名であった人もいると思うが、私の世代では男女一名ずつが主流である。しかし、なぜ会社ではそうでないのだろう。なぜ部長は一人なのか。なぜ社長は一人なのか。学級代表同様、男女一名ずつ選出してやっていけばいいじゃないかと思う。男性のいいところ、女性のいいところをお互いに尊重し合い、認めていけば本当の意味での男女平等を実現できると思う。もし私が会社を設立するとしたら、管理職等は男女一名ずつを選出し、社内に託児所を設け、母の友人のような人を減らしていきたい。また、残業制度を廃止し、男女共になるべく早く家庭に戻れるようにしたい。働くということを苦ではなく輝きにしてほしい。政策が目標とする「女性が働き続けられる社会」というのは、働く女性すべての願いである。私は“社会が女性との両立”を早くできるように努めていきたい。そんな社会を実現すべく、男女に格差のない夢と希望であふれる会社をつくりたい。これが私のしたい仕事である。