私が将来就きたい職業は看護師だ。看護師は、法定の資格をもち、医師の診療の補助や傷病人の看護にあたることを職業とする人のことをいう。
私はこの看護師という職の中で実現したい夢がある。それは、患者さんの看護をするだけでなく、患者さんに対する社会からの差別や偏見をなくしていくことだ。
今から70年前広島に原子爆弾が落された。広島で生まれ育った私は幼い時から平和学習や被爆者の方のお話を聞いてきた。放射線の影響を受け、多くの人々の生命が奪われてきたこと。被爆してから後長期にわたって白血病やガンなどのさまざまな病気が発生し、被爆者の方を今もなお苦しめていることを知った。それと同時に被爆者ということで、進学、就職、結婚、生活上でさまざまな差別を受けていたと学んだ。私はこのような背景には放射能というものが、伝染したり遺伝したりするものだという誤った認識があったからだと思う。
現代ではエイズに対する誤解や偏見がある。この病気の恐ろしさのみが強調されて伝えられたが為に日常生活、握手やせきくしゃみで感染するといった誤解が生まれ、偏見へとつながっている。
こうした差別や偏見は患者さんを肉体的にも精神的にも苦しめていると考える。では、看護師に出来ることは何か。それは、隣で看護をすることだけてなく、社会へと正しい知識を伝えていくことだと思う。誤った情報が普遍化しているから差別や偏見が無くならないのだと思う。しかし、差別や偏見が無くなれば、患者さんの精神的負担は軽減され、治療に専念できると考える。
私はこの夢を実現させたい。そのために今やるべきことは何か。それは、看護の知識、技術を身につけることはもちろん、社会、環境、人々の権利擁護などに興味を持ち理解することだと考える。今正しい知識を持つことで透徹した判断力を養うことができると考える。看護師にとって最も必要不可欠な人々の心に寄り添うことが出来るように人間としての豊かさや教養をもつことが大切だと考える。
最期に、私には大切にしている言葉がある。
「世界のどこかに、君に出会うことで救われる人がいる。『あなたに出会えて幸せでした』と、そう言われる人間になりなさい。その日のために、いま自分を磨くのです」
この言葉に出会った日は、私が看護師になりたいと強く決心した日だ。今、訳も分からず勉強していることを看護師として発揮させたい。多くの人を自分が救いたい。救うことというのは、病気から解放されるだけでなく、社会が取り巻く環境を変えていくことだと考える。
この言葉を胸に私は看護師として私の夢を実現させたい。