【 努力賞 】
【テーマ:私が実現したい仕事の夢】
“食”で支える
静岡県立磐田農業高校 稲葉朝香 17歳

私には夢がある。スポーツ栄養という面から、多くの人々を支える人間になること。私の強い夢。

私は中学時代、部活でバレーボールをしていた。自分達の代になる頃にはチーム一背が高く、負けず嫌いで、生活がバレー中心のユニフォーム四番、エース。エースを任されてから、“食べる”ということを意識し始めた。沢山動くため、対応できるように毎食量をしっかりと食べた。また、エースアタッカーとして強烈なスパイクを打てるだとか、ジャンプ力だとか、体づくりの為にも練習やトレーニングの成果を無駄にしないよう、食事内容にも少しではあるが気を遣っていた。そんな事から、徐々に私はこの夢を真剣に抱くようになっていった。

高校。他には目もくれず、野球部のマネージャーを選んだ。この高校の野球部には二つ上の兄がいて、中学時代からたまに見に来ていた。部活で精神的にきていた時、練習を見ていたら声を張り上げて必死に頑張る部員達の姿に心を強く打たれた。私もまだまだやれる、頑張ろう、と毎回必ず思わせてくれた。一生懸命で自分に元気をくれたチームに関わりたい、近くでサポートしたいと思い、バレーの道を蹴ってここで今しか出来ないことをしようと決めた。うちの野球部では、平日練習の夕方に中間食という食事の時間が設けられている。マネージャーが作る味噌汁とご飯を、ベンチ裏で食べるのだ。味噌汁の内容はマネージャーが決める。私はバランスや組み合わせを、浅い知識の中で考える。

こうした日々の中間食作りを通して栄養についての興味関心が増していった。また、学校の科も食品科であり、私の夢への気持ちは更に大きくなる。そうして考えているうちに、これだ!というものに辿り着いた。それがスポーツ栄養の道だった。自分がプレーする側である選手と、スポーツする人をサポートする側との両方の経験も生かし、スポーツチームやアスリートを栄養面からサポートしたい。とても素晴らしい夢に出会った。

自分の知識と経験を生かしながら好きなスポーツにも関わり、その人達の笑顔にも貢献できるなんて、素敵なことだ。スポーツ栄養の仕事に就くのは難しいとあらゆるところで聞いたけれど、意志のあるところに道は通じると思う。実現させてみせる、憧れのこの仕事を。

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