私の将来の夢は、歯科衛生士である。人の役に立つ仕事がしたいと以前から心に抱いていた。だが、何をやりたいかは明確ではなかった。歯科衛生士になりたいと思ったのは歯医者に通い始めてからである。私は、虫歯はなかった。しかし、歯並びには前々からコンプレックスを持っていた。よく
「出っ歯だね」
と言われた。また、磨きにくいのでその結果
「将来虫歯になりやすい」
とも言われた。私は、
「そんなこと気にしてない」
と周りに言っていたし、自分にも気にしてないと言い聞かせていた。だが、心のどこかで治したいなという気持ちがあったのは言うまでもない。
そのような時、友達が歯列矯正をやり始めた。最初は、大変そうで私には無理だろうと感じたがその子の歯並びが治っていくうちに私もやってみたいと強く思うようになった。
しかし、私の全財産ではとてもじゃないが、払えない。そこで母に相談してみた。母は、
「歯は一生ものだからね。八十歳までに二十本目標ね」
と言い歯列矯正をすることに賛成してくれた。
始めてみると、思っていたよりも大変なものだった。一ヶ月に一回通院し、毎回歯を固定され、痛みも生じた。そのような所には通いたくなくなるのが普通だ。だが、私は違った。歯を治したいと思う気持ちも大いにあったが、なにより歯科衛生士さんが
「歯並びよくなってきたね。頑張って」
と優しい言葉をかけてくれたおかげで、がんばろうと思えた。また、だんだん歯並びが良くなってきた時、歯科衛生士という仕事は、人の役に立つことができる素晴らしいだなと肌で感じた。私は、歯科衛生士さんに尊敬や憧れの気持ちを抱いた。私もこの仕事をして私のような、歯にコンプレックスを持っている人たちの歯を綺麗にするお手伝いをしてあげたいと思うようになった。
歯科衛生士になることは、簡単なことではない。自分本意な考えだけでは、務まらないしお客さん一人一人によって対応も様々だ。患者さんの口の中の健康を思う気持ちを大切にしなければならない。私が憧れる歯科衛生士さんのようになるために、努力し、頑張って将来の夢を実現したい。