【佳作】
はたらくということは生きることだと私は思います。それは働いてお金を稼ぎ生活するという意味もありますが、人が人として生きていくという意味もあります。働くことで多くの人と接点を持ち、コミュニケーションを取る、協力して何かを成し遂げる努力をする、人間を形成する上で大切なことは働くことで得ることができます。
また、はたらくということは『生きる』ということだけでなく、『生かす』ということでもあると思います。一番想像しやすいのは医療関係の仕事でしょう。私の祖父は今、病気で入院しています。私はたまに見舞いに行きますが、体調が良い時にしか話すことができません。しかし、祖父が楽しそうに話しかけてきてくれることがあるととてもうれしいです。話すことができるのは祖父を治療してくださっている病院の先生のおかげです。医者には患者がいて、医者はその患者を助けようと努力します。こうやって直接的に人を助ける、つまり生かしています。ほとんどの職業が直接的に、もしくは間接的に人を生かすことに関係していると私は思います。人が生きていく上で必要な食料、知識、資源、情報等は人のはたらきによって私達は得ることができるのです。
中学二年生の冬、プロジェクトで「はたらくということ」をテーマに多くのことを調べ、学びました。私が調べたのは九州電力株式会社です。そこで、「はたらくということ」について社員の方から教えていただきました。「はたらくということは他人のためだけでなく、自分のためでもある。自分が勉強したことを活かしながら仕事の中でたくさんの知識を得ることができる。」私は、この言葉を聞いて、はたらくということは生きるということだと思いました。私達は生きるために、多くのルールやマナーを理解していなければいけません。でないと、多くの人達から非常識だと思われてしまいます。社会のルールやマナーは小学校や中学校、そして高校でも学ぶことはあります。しかし、より多くの立場の人と接する大人の社会では、臨機応変に対応し、最善を尽くさなくてはいけません。ただ学んだだけではルールやマナーを身につけることは難しいと思います。だから、会社や取引先、客と接し、この人間社会の常識を覚えていかなくてはいけないのです。
私は来年高校生になります。社会人にはまだ遠いけれど、働くことについての理解や知識は今からでも必要とされてきます。なので、私達中学生は両親や先生方といった身近な大人から、見て聞いて様々なことを学び、身につけなければいけません。私の将来の夢は獣医です。動物の命を救う仕事ですが、その動物の飼い主のことも考えられるような医者になりたいと思っています。生かし、生かされ、生きるこの人間社会で、いつか私も社会人として働いていきたいです。そのために今、自分で「はたらくということ」についてもう一度考え直してみて、働くことの大切さを感じていきたいです。