【努力賞】
【テーマ:仕事を通じて、こんな夢をかなえたい】
仕事を楽しむ
日本大学商学部  増田響哉  18歳

「働くことはとても大変で辛いことである」―このイメージは、多くの人々に定着していると思う。そして私もそう考えていた。働かなければお金は得られない上に、自分自身の生活が維持できなくなってしまう。「働くのは辛いものだ」「働かなければお金は得られない」「お金がなければ生活していけない」―このネガティヴな連鎖が、常に私の中に存在していた。働かなければ得られないお金と、お金がなければ生活できないこの状況は、今も私たちを苦しめている原因だと思う。

望まない仕事を続け、お金を得て、退屈な人生を送るのだろうか。そんなことを考えていた時に出会ったのが『ユダヤ人大富豪の教え』という本だった。高校時代の先生に、将来するであろう仕事への不安を相談したときに紹介された本だった。「たった一冊の本で何が変わるのか」そう思っていたが、この本の言葉に私は、強く引き込まれていった。

「幸せに成功したければ、自分が大好きなことを仕事にしなさい(本田,2003:69)」この本で一番好きな言葉である。幸せなこととお金、仕事とお金、この結びつきは通過点であり、最終的な幸福な人生を送る上での結果でないということを私なりに解釈した。お金を得るための仕事ではなく、大好きだからするということに意味があると思った。確かに、好きなことをしている人々は輝いて見え、とても楽しそうだと感じる。この好きなことによって生じる幸福な力は、自分自身や周囲の人々へも拡散されていくと思う。私も、真剣に夢を追いかけ、自分自身はもちろん、周囲の人々を幸せにしたいと考えている。

私の夢は、企業の経営者である。人と協力して何かを真剣に成し遂げることが大好きで、この「大好きなこと」を仕事にしたいと思ったとき、経営者に結びついたのである。ビジネスを行う過程は厳しく険しいかもしれないが、その先にある結果は、失敗や成功とは違う景色を見せてくれると思う。そして同時に、私の企業が生み出す製品やサービスによって喜びを感じられる人がいるとしたら、これ以上に幸せな仕事はない。

私だけのたった一度の人生。退屈に送るのではなく、大好きな仕事に就き、多くの人を笑顔に、幸せにできる人生を送りたい。

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参考文献
本田健(2003)『ユダヤ人大富豪の教え:幸せな金持ちになる17の秘訣』大和書房。

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