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【テーマ:仕事探しを通じて気づいたこと】
仕事探しを通じて気づいたこと
福岡県  末 吉 慶 子  47歳

私は、精神疾患者だ。

そう言うと、一部の人たちは偏見な目で見るかもしれない。

今まで、障害者という事で仕事探しも制限されてきた。

障害者という事で、仕方なく障害枠で少ない仕事の中から探さなくてはならなかった。

やりたい仕事があっても、障害があるという事で出来なかった。諦めるしかなかった。たとえ障害枠でも、不採用も少なくなかった。私は、そういう時、健常者の人たちは仕事が選べて普通に働けるからいいなァと羨ましく思っていた。

健常者でも、大変な思いをして苦労している人たちは多いと思う。いや、殆どの人だろう。しかし、ハンデなく働けるだけでも良い方だと思う。

そんな事を言っている私だが、世の中を見渡せば、寝たきりで仕事をしたくても出来ない方や、知的障害、身体障害で思うように働けない方を沢山見てきた。

私は、まだ何とか働けるだけ感謝しなければならない。

健常者の人たちならば尚更だと思う。

良い仕事がない、とか今の仕事に不満を持っている人も多いだろう。

しかし、ハンデなく普通に働ける事が、いかに有難いことなのか!私は、障害者になって痛感した。

健常者の方たちは、障害者になってからだけではなく、働けなくなってから気付くのではないだろうか?

働くとは、会社の為とか社会の為とか、キレイ事は言いたくない。

殆どの人が、食べていく為、生活の為ではないのかと思う。

自己実現の為もあるのだろうが…。

働いて給料をもらって、まずは衣食住の安全確保する事からだろうと思う。

いくら社会に貢献する為と言っても、食べる物や着る物の安全確保が出来なかったら、本末転倒だろう。そんな人はいないと思うが。殆どの人たちが、生活していく為に働いているのではないかと思う。

私が、結局最後に伝えたいのは、働ける事に感謝してほしいという事だ。

私にも言える事だが、二度伝えるが、働きたくても働けない人たちがいるという事を、忘れないでいてほしい。

また、何とか働けるが、ハンデを背負って苦しい思いをしながら働いている人たちも沢山いる、という事を伝えたい。

決して、健常者の人たちが、楽して働いているとは思ってはいない。

しかし、少なくともハンデのある人たちよりは働けるのだから。

そういった人たちがいる、と言う事を頭の隅でもいいから置いてもらって、働けるという事に感謝して、これから働いていってもらいたいと願っている。

私は、精神疾患というハンデはあるが、何とか働ける事に、感謝している。

大袈裟ではあるが、障害者代表だと思ってこれからも、働かせて頂こうと思っている。

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