【 佳 作 】
19歳の頃、私は精神を病んで生活を180度転換させなければならない状況に陥った。
皆が大学生活をエンジョイしている中、私は精神科閉鎖病棟で入院生活を送っていた。
何度も入退院を繰り返しながらも、いつも何かに挑戦していないと気がすまない私は、カルチャーセンターの「ビーズアクセサリー講座」を受講してみることにした。それを見ていた母は、私が精神障がいを持ってから、何をしても長続きしなかったのでまたすぐに辞めてしまうだろうと思っていたようだ。
しかし何のその、そんな心配をよそに障がいで調子が悪いときもあったが、ビーズアクセサリー作りを指導できる資格を取得した。そして自宅でアトリエをオープンさせた。
小学生から上は80歳のおばあちゃんまで、幅広い年齢層の方々にビーズアクセサリー作りを教えていた。そこで、もっと他の手芸も教えたいと思い、シルバーアクセサリーやキャンドル、編み物など他の資格も徐々に取得していった。
そのうち、教えるのも楽しくやりがいがあるけれど、私の作品を販売してみるのも別のやりがいがあるのでは?と考え始めた。
そこで、アトリエで作品を少しずつ販売してみることにした。しかし、田舎だということと、障がいのため毎日、アトリエを開けることが難しいため、売り上げはあまり伸びなかった。
私は今、インターネット上での販売を考えている。これからは、自分の作品をインターネット上で販売する方向でアトリエの体制も変化させていきたい。しかし今一つ、方向転換に足踏みしている自分がいる。
ここで一歩踏み出さなければ、田舎で障がいを持ちながら手作りを仕事にすることは成り立たない。
私の目標、そしてかなえたい夢は障がいを持っていても手作りを仕事として成り立たせることである。
障がいを持ちながら、一人でアトリエの運営をすることは非常に大変だ。
しかし、私はそれに挑戦する。アトリエの体制が変化することで、今までのお客様から新しいお客様へと顧客層も変化するのだろうがそれも仕方ないと割り切って考えなければならない。他にも割り切らないと前へ進めないことはたくさんある。
そこをどのように自分の中で割り切るかが大切だろう。
今の私に必要なことは自分の考えに自信と確信をもって、後悔しない選択をする勇気だ。
インターネット上での販売へと転換することで、アトリエを開けるストレスはなくなるだろう。しかし、顔の見えないお客様への対応はうまくできるだろうか?と今から不安である。
私はこれからの自分らしい働き方はインターネット上での販売だと考えているが、うまくいくかどうかはやってみないと分からない。
今まで、数多くの挫折を味わってきた私にとって今回のチャレンジはそんなに大きなことではない。むしろ自分探しの過程だ。
障がいがあるからこそ、普通に働くのが難しいからこそ味わえる自分らしい働き方を追求する時がまさに今なのだろう。
私は自分が選んだ道に後悔はしない。そして、できる限りのことを実行して、これからの生きる糧にしていきたい。