【 佳   作 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
伝えたい〜尊く、やりがいのある仕事〜
大阪府  TAMAKI  39歳

仕事を通じて私がかなえたい夢―

それは介護という仕事の楽しさ、やりがいを多くの人に伝えたいということです。

なぜ、それが私の夢なのか。それには二つの理由があります。


一つ目は介護の仕事に興味を持つ人を増やしたいという思いがあるからです。

現在、超高齢社会である日本の現状に反して、介護現場は人材不足が深刻な状況となっています。人材不足による業務の忙しさにより『介護の仕事=過酷で大変』というさらなる悪循環が生じているのが現状です。

しかし、実際は非常にやりがいの大きな仕事であるということは、これまでの私の経験から胸を張って言うことができます。

私は介護の仕事に16年間携わっています。現在は自宅で生活を送る高齢者への支援をプランニングするケアマネジャーという職に就いています。

私が働くのは高齢化率が40%に近く、単身高齢者が非常に多い地域であり、ある意味で決して遠くない未来の日本の縮図と言っても過言ではありません。

これまで数百名の方々と出会い、そして多くの別れを経験しました。最期のお別れをするために葬儀の手配、段取りをさせて頂くことも決して少なくありません。喜びや楽しみもあれば悲しみや悔しさも多く、振り返れば数えきれない様々な思い出があります。

介護は人の命に関わる尊い仕事です。時に私の判断がその方の人生を左右することもあるほど責任は重大ですが、多くの利用者さんとの関わりの中で得るものは非常に多いです。

誰かの人生のお手伝いをさせて頂きながら、また一方では仕事を通して人生の教訓を学ばせて頂くことができる素晴らしさがあります。それが介護職のやりがいとなることを多くの方々に伝えたいです。


二つ目は、誰かに何かを伝えることが自分にとって一番の勉強になると考えるからです。

長年の人生を歩んできた方々との関わりでは、十人十色、様々な人生模様が存在すると感じさせられます。お話を聞くと皆さん驚かされるような経験をしてきた方ばかり。何十歳も年下の私などまだまだ未熟者ですが、年齢に甘えるわけにはいけません。

プロとして、利用者さんがより良い生活を送ることができるように努めなければいけないのです。

良い支援を提供するためには幅広い知識が必要となります。利用者さんが感じている不安に対して、落ち着いて的確な助言をさせて頂くための知識です。何を聞かれても「わかりません」の一言で終わらせたくありません。たとえ即答できなかったとしても「次までには調べておきます」と言うように心掛けています。


『少年老い易く学成り難し』


私は日頃から、常にこの言葉を意識しています。「いつかする」と思っていると、知らぬ間に時だけが過ぎ去ってしまいます。仕事においてどれだけ「わからない」ことに出会い、そして、それを調べて自分の知識に変えていくことが大切だと思います。その積み重ねが利用者さんの利益となり、結果として私の将来の夢に繋がるのだと信じています。

「わからんから、あんたに聞こう思ってたんや」

「あんたが言うんなら間違いないな」


利用者さんからこのような言葉を聞くと、とても嬉しい気持ちになります。


現在、私は39歳。40歳まで残り1年を切りました。子どもの頃に思い描いていた40歳は ...... もっと立派な大人だった気がします。いろいろと焦る気持ちはありますが、日々、自己研鑽に励みながら将来の夢に向かって一日一日を大切に頑張っていきたいと考えています。

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