【 佳   作 】

【テーマ:仕事探しを通じて気づいたこと】
私の就職活動 自分探し
神奈川県  みなみん  42歳

私が就職活動を通じて気づいたことは、笑顔と根性が大事ということだ。

今から20年も昔、まだインターンシップという制度はなかった。時代はバブル崩壊後の就職超氷河期だ。大手企業であっても倒産する、大卒でも就職できないというニュースが飛び交っていた。私は企業説明会に参加したり、気になる会社にはがきを出してアポイントを取り就職活動を開始した。今よりもパソコンが普及していなかったため、履歴書を手書きで何枚も書いた。これが当時のごく普通の就職活動である。

私は小さい頃からスポーツができるほうではなく、勉強が得意なほうでもなかった。特技はなく、なんとなく大学に入学し、アルバイトに明け暮れる日々を送っていた。人にアピールできる資格もなく、どんな職に就いたらよいのかわからない。そんな気持ちで手当たり次第に就職活動をしているので筆記試験でも面接でも落ちまくった。気が付けばアポイントを取った企業が20社を超えていた。このままいけばどこにも就職できずに終わってまう。私は今まで育ててくれた両親にたいして申し訳ない気持ちでいっぱいになった。今一度、見つめなおす期間が必要だと思い、就職活動を一旦やめた。

立ち止まったことで気づくことがあった。私は面接で目上の人と話をするときに緊張せずに笑顔で丁寧に話せるということだ。数多くのアルバイトをやっていたことが影響するのか、自然と笑顔で対応することは得意だった。私はこれを強みにしようと決めた。そして絶対に就職したいという想い、百社になっても受けてやるという根性があった。人に対して何か誇れるものはないが負けたくないという根性だけは学生時代、そして就職活動を通して培ったものだと実感した。

その後、自分は証券会社に的を絞り、就職活動を開始すると最終的に2社から内定をもらった。そのうち1社は最終面接で大爆笑するほど楽しい面接だった。「あなたと話をしているとこちらまでほんわかした笑顔になるよ」と言われたことは今でも記憶に残っている。私は証券営業に就き約5年間働いた。その後、結婚、出産、子育てを経験し、現在は中学2年生と小学6年生のははであり家事とパートに追われる日々だ。後数年後にはまた証券に携わる仕事にチャレンジしたいと思ってワクワクしている。

今仕事探しをしている若者に言いたい。人生、良い時もあれば悪い時もたくさんある。今までの人生で何度どん底を経験しただろうか。落ち込んで落ち込んで立ち直れない。ずっと苦しい、ずっと辛い。そんな時私は、「今が人生でどん底の時だから今以上に落ちることはない。これからはうなぎのぼりだ」と思うようにしている。そしてよい時はたくさん楽しもう。人生、いつも笑顔と根性を忘れずに。

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