【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
仕事を通じて叶えたい夢
埼玉県  町 田 敏 子  56歳

私にとって仕事とは生活の糧である。一つ一つの仕事が重要であり、生活を守り、子供や親、夫婦、家の経営をすべて賄うことが重要であり、必ず守るべきことであると思っている。

若いころはその上に、仕事に対する夢や、生活に対する夢が数多くあったと思う。また、それらを仕事のオフタイムに確実に出来ていたため、ストレスも発散できていたし、友人との交流もでき、私は世界一の幸せ者だと何度思ったことであろうか。今では懐かしい良い思い出のワンシーンとなっている。

現実の今は厳しい。50歳代半ばとなりやっと3人の子供たちが全員大学を卒業して、フルタイムのそれぞれの夢の扉を開いて飛び立っていた。その時残るものは自由であると疑う余地もなく、ナースとして頑張り続け働いてきた30年以上の月日であった。

主人の両親と同居しながら仕事をフルタイムで働き、80歳で他界するまで自宅と病院で介護してきた25歳からの10年間は、すさまじい忙しさであった。ただ、ナイチンゲールになるという小さな頃の夢が叶えられたので、家庭での厳しさを、仕事仲間や友人と会うことや、患者様との会話の中で一日10回以上のありがとうと言われることが、私にとっても一番の心の安らぎであり、翌日への仕事のやる気にもつながったと思う。また、こんなに良い仕事だから、私の愛する子供たちにもなってもらいたいという野望が、沸々と生まれ、いつの間にか仕事を通じて叶えたい夢の第1位になっていった。

私の子育ては、常に仕事とともに歩んでいたため、私が考えたのは子供たちにナースという仕事をまず好きになってもらう為にはなにをしたらよいか考え、小さな子供の前では仕事の愚痴は言わない、毎日夕食の食卓時に全員に本日の一日一善と良かったことを発表してもらった時に、病院での患者様やスタッフとの楽しいエピソードを言うようにしていた。また、病院や看護科主催の行事には子供も一緒に参加して、潮干狩りやったり、旅行に行ったり、劇団四季やサーカスも楽しんだ。

主人の仕事にも興味を持ってもらう為に、選挙の時は子供3人連れてパパはあそこで仕事やっているよと教えていました。これらは大人になってから選挙に参加する社会人となる第一歩につながることも教えました。

私は大学病院の外来勤務の時、外来終了後のほんのつかの間のお休み時間に主人が子供と顔を出してくれたり、ケアマネの時や福祉イベントの時にも子供を連れてきてくれたりしました。

そのかいあってか、3人の子供のうち長男と長女は看護大学を卒業し、保健師と看護師に合格し救命救急等で働かせていただいていることに感謝します。私の仕事を通じて、叶えたい夢の実現となりました。

今は自分の体力と気力とのバランスをみながら、子育てが終了したので、燃え尽き症候群にならないように、新しい夢を見つけている途中です。きっと来年のこの作文には、その結果が報告できていることでしょう。

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