【 厚生労働大臣賞 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
かなえたい夢〜人として成長するために〜
山口県立山口高等学校通信制  北 野 菜 積  26歳

「働くって何だろう。」と問われると、幸せと喜びが1番最初に浮かびます。

私は、26歳でコンビニエンスストアを5店舗経営しています。スタッフは約70人。年齢も幅広く働く理由、やる気、すべてが人それぞれ違います。今回は学生のアルバイトと外国人スタッフについて書きたいと思います。

まず学生のアルバイトについてですが、採用面接の時には必ず三つのことを守るように伝えています。一つ、本来の学業を疎かにしないこと。二つ、学生でも無理なく働ける環境を作るので、他に就職が決まるまでアルバイトを続けること。私の店では、テスト勉強をするために1か月休みが欲しいと言われれば、そのようにします。学生は学校行事や部活動などで、急に休む、遅刻するなどあります。決められたシフトを変更することは、とても大変です。しかし、私も高校生の頃からアルバイトをしていました。その頃、ずいぶんと大人に助けられました。私は自分の店でわがままを言い、失敗をし、働く喜びや大変さをしっかり感じてほしいと思っています。最後の三つめですが、嘘をついてアルバイトを休まないことです。シフトに入っていても、当日遊ぶために休みたいのなら、正直そう言ってくださいと伝えます。私や社員がシフトを代われるのであれば、代わります。代わりの人がいないのであれば、遊ぶことを諦めてもらいます。なぜこのように正直に言ってほしいのかというと、学生の間は、遊ぶことも全力で楽しんでほしいからです。今でも学生の時、もっと遊んでおけばよかったとしばしば思います。

私は一人ひとりに合った働き方を考え、少しでも心地よい職場になるよう全力で取り組んでいます。私が本気で向き合うことで、困ったことに出くわした時、学生のスタッフも全力で動いてくれます。コンビニエンスストアは24時間営業なので、仲間全員で助け合わなければなりません。学生のスタッフには学生の本分を忘れずに、チームの一員であることも真剣に考えてほしいと思っています。次のステップに進むために笑顔でお店を辞めますと言われると、この店で学んだことが、この人にとって大きな力になったのではと、本当に嬉しく思います。

次に外国人スタッフについてです。初めてネパール人と仕事をした時は驚きの連続でした。まず勤務時間になっても来ません。何分か、遅れての出勤です。「時間過ぎてるよ!」と私のひと言に対しての返事は「はい」だけです。なぜ急がないのか、聞いてみると、ネパールでは何時までに仕事に行くという細かい決まりはないそうです。つまり習慣の違いなのですが、決して不真面目というわけではありません。そこで、私は小さなことから仕事を教えることにしました。ほとんどの外国人スタッフは日本人と同じように、もしくはそれ以上に仕事に対して真剣に理解しようと頑張ります。もしできないことがあった場合、「外国人だから」ということを絶対に言ってはいけないルールにしています。日本人であっても、外国人であっても一生懸命な人はみな同じです。今、1人ネパール人のスタッフを責任者に立てることを計画中です。国籍に関係なく、仕事に対するやる気、実績を評価すべきだと考えます。


学生であろうと、また国籍がどこであっても、一生懸命、そして真剣に働くことで、お客様に対して百パーセントの接客ができると思います。そしてそこに心地よい空間が形成され、人としても成長できるのではと考えます。学生のスタッフでも外国人のスタッフでもその人の本気は必ず伝わります。

これこそがこの仕事を通じて私が目標にしていること、かなえたい夢です。

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