【 入 選 】
私には「日中の架け橋」として社会に貢献したいという夢がある。私がこの夢を持つようになったきっかけは、大学2年生の時に行った1年間の中国留学である。私の両親は中国人で、私自身中国で生まれ、日本で育った。それにより、中国語は聞いて理解することはできたが、話すことができなかった。大学の留学制度で、1年間中国に留学できると知り、この機会に中国へ留学して中国語を習得しようと思った。
留学に行く前の私は語学習得を目的としていたが、実際に1年間の留学では、語学以外に得るものがたくさんあった。
まず、留学により自分に自信を持つことが出来るようになった。昔から両親が中国人であるにも関わらず、中国語を話すことが出来ないことをコンプレックスに感じていた。留学したことにより、中国で生活するには困らない程度の中国語を習得することができ、このコンプレックスを解消できたと思っている。
次に、留学先で様々な人と出会ったことにより、世界に対する視野が広がった。中国に留学したが、他にも様々な国からの留学生がいた。その人たちと接し、その国の文化や価値観を学ぶことができ、私の知らない世界がまだまだあるということを知った。もっと色々なことを知りたい、私の知らないものを体験しに行きたいと思うようになり、将来は海外出張の多い仕事に就きたいと考えるようになった。そこから商社ならダイレクトに海外と関わりを持って仕事をすることが出来ると思い、商社を志望するようになった。
商社と一口にいっても、色々な種類がある。私は半導体系の専門商社に行きたいと思った。理由として、中国で体験したモバイル決済に衝撃を受けたからである。今まで現金でしか買い物をしたことがなかった私は、スマートフォンに表示させたQRコードをかざすだけで買い物ができることにとても驚いた。これを可能にしているのが半導体によるものだと知り、半導体業界で働けば、最先端技術に関わることができると思った。半導体系専門商社なら、海外を相手に最先端技術の取引ができると考え、私にとって、とても魅力に感じた。
運よく半導体系専門商社から内定を頂くことができ、来年の春から営業職として働くことが決まった。日本と中国で育ち、両文化を理解している自身の特徴を生かし、将来のやりたいことを見つけるきっかけとなった中国に、半導体という物を通じて、「日中の架け橋」として、社会が益々豊かになっていけるよう貢献していきたい。