【 佳   作 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
幸せのありか
福島県  大 竹 沙 紀  28歳

個人事業主としてヨガの道に進み3年目に入る。短期大学を卒業し、国産・輸入車の営業とラグジュアリーブランドでの販売を経験した。数字を追いかける仕事は面白かった。自分の好きなものに囲まれて働くこともまた満足だった。しかし立ち止まって考えた。果たしてこれは私の実力なのだろうか。車や鞄の魅力、ブランドのステイタスというのは大きな割合を占めている。本当の力を試したいと思ったのがきっかけで独立を決めた。人脈もコネも私には何も無い。だが、不安は無かった。根拠のない自信に溢れていた。若さゆえんに怖れを知らなかっただけかもしれないが。

有難いことに声をかけて頂き、企業や行政を中心にお仕事をさせて頂いている。会いに行くヨガ講師として、ヨガだけでなく私の生き方をお伝えしている。

自分の力でやっていく。自立した女性像を追い求めていく理由は何だろうと考えたときがある。振り返れば17年前に心臓の病気で亡くなった父の死がある。突然の死だった。当時、実家で営んでいた建設業の会社もたたむことになった。子どもながらに悔しいやら、やるせない気持ちでいっぱいだった。いつかどうにか自分が立て直したい。心の隅にそんな気持ちを持ち続けていたのかもしれない。無意識の意識というのはあるものだ。潜在意識という。血縁というのか、血は抗えないというのか。先祖代々に受け継がれている「独立心」なのだろう。

私には兄と弟がいる。兄家族は母と同居し家を守ってくれている。とても有難く思っている。私は28歳独身だ。今のところ結婚などは一切考えていない。年齢を重ねる毎に価値観や考え方も変化してくる。今もなお、自分の力は試していきたいし挑戦は続けていきたい。だがしかし、生き方をふまえて仕事を考えたときに一つ見えてきたことがある。仕事を通じて私が叶えたいのは大竹家の歴史に新しい風を吹き込み、繁栄をさせること。そして、家族の笑顔を見続けることだ。母や父、ご先祖様がいるから私は存在する。家族は望んでいないかもしれない。上をみたらきりがない。幸せって身近なところにあるものだ。私は仕事を通じて家の為に終わりが無い夢を叶え続けていきたい。

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