【 奨 励 賞 】
僕は高校1年生の夏にあるトラブルが原因で学校を退学することを決心した。正直その時はとても不安であり、精神的にも追い詰められていた。しかし、家に閉じこもってばかりもいられないので通信制高校に通学する傍らアルバイトを始めることにした。様々な求人サイトを見ていたが、あまり自分のできそうなアルバイトがなかなか見つからなかった。
そんなとき、知り合いの先輩がホームセンターで働いていたのでその先輩の紹介でホームセンターの面接を受けた。思ったよりはきはきと受け答えもでき、見事採用も決まった。僕にとっての初めての採用だったのでとても嬉しかったことを覚えている。実際始めてみると、大変なことも多いけれど、お客さんや従業員との人間関係などで学ぶことも多く、数えきれないほどの大切なことを得たように思う。
その中でも特に印象に残った先輩の言葉がある。それは「興味を持つこと、それができれば仕事はうまくいく」と言われたことだ。最初その言葉を聞いた時、よく意味を理解できなかった。しかし、数か月、半年と仕事を続けていくうちに自分なりに考えたことがある。興味を持つことは仕事を行う上で考えることにつながっていくと言える。例えば、接客ならお客さんにどう対応すれば、快く思っていただけるのか等、色々と考えたりする。ただ作業を漫然としているだけでは決して見えてこないものがあるのではと思う。
まだ学生でバイトという立場であるが、社会というものに飛びこむことは決して無駄ではないと思う。僕は全日制高校を辞めてしまったが、正直学校よりずっと厳しい現実がそこにはある。時々レポートやスクーリングが大変で、通信制高校とアルバイトの両立に苦しむときもある。しかし、この貴重な経験を積むことにより僕が学校を卒業し、本当の意味で社会に出た時、この経験が少しでも生きるかもしれない。そしてこの道を選んで後悔しないと思えるような職業に就きたいと思う。そのためにも日々物事に興味・関心を示し、たくさんのことにチャレンジし、自分自身を少しでもステップアップしたいと思う。