【 奨 励 賞 】
私の将来の夢は青年海外協力隊になることだ。
青年海外協力隊になりたいという夢を持ったのは中学生のころだった。きっかけは、中学校の授業で、アフリカの貧困問題についての動画を見たことだった。その動画には、当時の私より幼い年齢で、家族を支えるためにすでに大人と同じように働き、家の手伝いや弟、妹のお世話があって学校に行けない子どもたちの姿が映っていた。私には想像もできないような光景が広がっていた。また、ある動画には、痩せ細り、骨と皮だけになった幼い子どもたちが食べ物を欲して手を伸ばしている映像や、今にも命が尽きてしまいそうな子どもの映像を目の当たりにした。あまりの悲惨な光景が目に焼き付いて離れなかった。
私はその授業を受けた後に貧困問題について深く考えるようになった。ある時、ふとユニセフのホームページを開いたことがあった。そこには、写真と共に、十分な食料がなく飢えに苦しむ子どもたちや、安全な水が確保できないために命を落としていく子どもたちの現状が記されていた。私は心を打たれた。飢えや安全な水が得られず亡くなっていく子どもたちが少しでも少なくなるように私にできることはないだろうかと考えた。日常生活でも、テレビを見ていればユニセフのCMが流れてきたり、コンビニのレジの横に募金箱が設置されている。また、ユニクロでは服をリサイクルして貧困の地域に届ける活動などが行われており、誰でも気軽に貢献できるような取り組みがされている。
そこで私はもともと言葉だけ知っていた青年海外協力隊について興味を持った。青年海外協力隊、別名 JICA 海外協力隊とは、自分の持っている技術・経験を活かし、発展途上国の人々のために活動する団体のことだ。私は現在、日本大学スポーツ競技部のフェンシング部に所属しており、フェンシングにおける自分の持っている技術・経験を活かせる JICA 海外協力隊にぴったりと当てはまっていると思った。フェンシングの道具を寄付することが可能なのか否かなど、まだまだ不透明な部分がたくさんある。しかし、これこそが私ができる発展途上国に向けての最大限のことだ。
先進国の人々が、貧しい子どもたちを募金などの形で助けることは可能だろう。だが、私一人ができることはこれぐらいしか思い浮かばなかった。だからこそ、私が青年海外協力隊として派遣されたら、フェンシングやスポーツの楽しさを教えることで、世界中の子どもたちに夢や希望を与えられる存在になりたい。世界中の子どもたちが笑顔で過ごせる環境を作り、十分な食料を得て無事大人に育ち、夢や希望、目標を叶えられる架け橋になりたいと思った。
参考文献 日本ユニセフ協会,「日本ユニセフ協会(ゆにせふ日本委員会)」,『日本ユニセフ協会』,〈https://www.unicef.or.jp/〉、公益財団法人 日本ユニセフ協会,[2019 . 5 /25閲覧]