【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
目配り気配り心配り
あすなろ会  河 合 茉奈美  23歳

信用組合の一支店である私の職場には、日々様々な方が来店されます。新札の両替をしたい、退職金を定期預金にしたい、住所変更をしたい、キャッシュカードを紛失してしまったので再発行したい。他にも相続や出資金の手続き、税金の支払い等多岐に渡ります。昨年4月に入組し、2年目になった今でも覚えることばかりの毎日です。どうしても目の前の処理ばかりに目がいってしまい、正しく処理をすることで手いっぱいの日々でした。

そうした中で、自分が応対したお客様と、先輩方が応対したお客様の表情が違う時があると気づきました。先輩方が応対したお客様はみんな笑顔だったのです。どうしたら自分も先輩方のように、お客様に気持ち良く帰っていただけるのか、そう考えた時に浮かんだのは、先輩がいつも言っていた言葉でした。

『目配り気配り心配り』

相手のことを知ろうとよく見ること、相手が何をしたいか気づくこと、相手の立場になったつもりで相手のためにできることをすること。また、人と人の縁を大切に思うこと、たとえ少しの交わりだったとしてもその縁一つ一つを大切に思うことでした。それらの言葉を意識するようになってから、お客様に対する意識が少しずつ変えられるようになりました。

両替のひとつをとっても、なぜ新札が必要なのだろうと考え、お客様の表情を見るようになりました。嬉しそうな顔をしているのを見て、「お祝い事ですか?」と聞いてみました。すると、顔が綻んで「娘の結婚祝いなのよ」とおっしゃいました。「おめでとうございます」とお伝えすると「ありがとうね」と笑顔でお帰りになりました。そしてまたしばらくして来店された際に、改めて「先日はおめでとございました」とお伝えすると嬉しそうに娘さんのお話をしてくださいました。ただ両替のお客様だ、という認識しか持たず新札を用意してお返しするだけでは生まれない笑顔だったのかな、と思います。

これからも目配り気配り心配りを忘れず、人と人との関わりを大切に思って、お客様に笑顔になってもらえるような、先輩方のような職員に近づきたいと思います。それが今の私の夢でありなりたい姿だと思う日々です。

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