【公益財団法人 勤労青少年躍進会 理事長賞】
私は沖縄が大好きだ。しかし、大学卒業後に社会に出た時にショックを受けた。観光業に携わった際に様々な観光地へ足を運んだのだが沖縄の魅力を最大限に生かし観光地でビジネスを成功させているのはほとんど県外移住者だった。沖縄は観光資源が豊富で高いポテンシャルを持っているが、その資源を活かして事業展開できるマーケターや成功できる事業主が数少ないと言われている。沖縄県民であるからには「沖縄に何か残したい、沖縄の為できることはないか」常日頃から考えた。沖縄県民だからできること、沖縄でしかできないこと、自分にできることがあることを信じて。
私は学生時代、休み時間に友人のサプライズパーティをしたり、学園祭に出店したり、バイト先では懇親会を開くなど、人と人が繋がり合い皆が笑顔でいられる場所を作ることが好きだった。それが自分の強みとも知らず「りなといるといつも何か楽しいことがあるよね」と友人に言われた一言が大きな一歩を踏み出させてくれた。社会に出てその当時の自分を思い出した時に、沖縄のために自分の強みを活かして役に立てることがあるのではと考えた。
コロナ禍で人との繋がりが途絶えた時に、ものづくりを始めた。そして、ものづくりを通して出会った作家仲間たちとマルシェを企画し沖縄の作り手と使い手が触れ合う場所を作り、作家同士、お客様が触れ合える場所を生み出した。それは、大学時代に友人たちに喜んでもらったような同じワクワク感だった。
そして、昨年株式会社Creereveを立ち上げた。それは、私1人の力では叶えられなかった夢への一歩だった。設立と同時に念願の沖縄の30名のクリエイターの手作り品を集めたお土産ショップtete by okinawaをオープンすることができたのだ。沖縄の地元クリエイターが作品を展開し、沖縄県民が沖縄を誇れる場所になってほしい、“人の想いが旅の思い出に”なるようにと想いを込めて。これまで1年間支えてくださったお客様やスタッフのおかげで微力ながら沖縄に貢献できてることを実感する。「沖縄のために」と夢を掲げ、無我夢中で走ってきた結果、共に協力してくれる仲間や指導者が集まり、私1人の夢や目標がみんなの希望に変わった。
私にとっての仕事とは、世の中で起こる出来事の中で“自分ができること”を日々探しながら子世代に受け継いでいくこと。自分の強みは、誰かの弱み。誰かの強みは、自分の弱み。人のために人は働き、共に喜び、手を取り合って生きていることを忘れてはいけない。
そして、夢を必死に追うものに“仲間”が集まり、いつしか自分の夢は仲間の“希望”となる。