【 奨 励 賞 】

【テーマ:さまざまな働き方をめぐる、わたしの提言】
資格は取れる時に取っておきましょう。いつ役に立つかもしれません
(資格があったので70才を過ぎても働けた私)
兵庫県 大 西 和 子 77歳

私は東京で大学を卒業、現地で就職、ある自動車メーカーの本社で、女子社員は全員独身で皆20代の 若さでした。

3年半勤め退職、郷里の香川県にかえり、結婚して関西に、子供4人に恵まれ、子育てに専念し、小 学校に行くようになったら、働こうと思っていました。

4番目の末っ子に乳を飲ませながら見ていた新聞で、企業と消費者との架け橋として、消費生活アド バイザーの資格試験の開始を知りました。しかし、どんな勉強をしたらいいのか、行政、法律、経済、環 境、福祉、衣服、食と住生活他

範囲も広く、1回目の試験は不合格でした。翌年は新しく勉強を始めると前に学んだのをを忘れ、奥 が深く2回目も不合格でした。

そのころ、消費生活アドバイザー通信講座を書店で見つけ、申し込みました。試験問題は○×や空欄 に言葉を埋めるものなのに、添削は記述式でいろいろと調べて書くのが大変でした。「試験問題に沿った ものにして下さい。」と書いたところ、赤ペン先生からは「貴方のような考え方ではテクニックばかり覚 え、永久に合格しないでしょう。」と書いてありました。

通信講座をきっぱりとやめて受けた3回目も不合格でした。夫に「何度も落ちて恥ずかしい。10年以 上主婦だったのだからあきらめなさい。」と言われました。子供達は「又落ちたの」とニコニコ顔。もう やめようという気になった時、広報紙で手話講座を知り、即申し込みました。手話は指文字から入りま す。最後の日、お年を召した男性の方が、「私は70代後半で記憶力も衰え、皆さんについていくのが大変 で、人の何倍も勉強しました」と分厚いノートを見せてくれたのです。「私は頭が悪い。人の何倍も努力 すればきっと合格する。」と4回目に挑戦、不合格でした。しかし、迷いはありません。その頃郵便受け に入っていたフリーペーパーに大手スーパー本部の求人が載っていました。年齢40才まで、その時39才 でした。最初に筆記試験があり、次が面接です。大勢の人でした。隣の方があんまりにも若いので「お 子さん小さいのでは?」「独身です。」その時、もうダメだと思いました。面接の最後に圧力計を持たさ れ、最後だと思ったので思いきり握ったことを覚えています。結果はなんと採用だったのです

私は消費者サービス課に配属され、クレーム110番の電話の応対や顧客サービスの仕事で、いろんなこ とを体験、6回目にとうとう合格したのです。

その後、上司に登用試験を勧められ、準社員に、その後定時社員に合格することができました。消費 生活コンサルタントの資格試験にも合格、20年間働き、定年後、行政の啓発広場で相談受付等の仕事を、 最後は土日だけでしたが、今年の3月の77才まで11年間も働くことができました。

定年になっても、資格は永久に自分のものなのです。この資格を取得していたおかげで定年後に仕事 を見つけることもできました。最後に付け加えたいのは、資格は取って終わりではなく、勉強の始まり だということです。

企業で働いていたときに5日間研修でアメリカに行く事がありました。ラスベガス近くのスーパーを 見学した時、若い人に交じってきびきびと働く年配の女性「ここの定年はいくつですか?」と聞いた時、 通訳から「それは差別です。働けなくなった時が定年で、自分が一番良くわかっています。」という答で した。

 

*若者よ 失敗を恐れず、働く喜びを味わってほしい。

若者には健康で明るい明日がある。エールを贈る私達がいる

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