【佳作】
僕には小学生の頃から夢がある。宇宙飛行士だ。きっかけはあるマンガを読んだことだ。そのマンガ には宇宙飛行士の仕事について書かれてあり、自分も月に行って実験や探査をしたいと思うようになっ た。そして、図書館やインターネットでどうしたらなれるのかを調べてみたところ、「自然科学系分野に おける研究、設計、開発、製造、運用等に3年以上の実務経験や自然科学系の大学を卒業すること」「英 語を話せる」などの条件があることが分かった。
宇宙飛行士になるには、JAXAの選抜試験に合格する必要がある。そこで当時小学生だった僕は、筑 波にあるJAXAを見学することにした。
まず、館内ツアーに参加し、ロケットや宇宙服などを見た。見たのはレプリカだったが、本やパソコ ンでしか見たことが無かったため、想像以上の迫力で驚いた。
次に、宇宙飛行士の模擬訓練を体験した。船外活動という、ロケットからでて仕事をする訓練をした。管制官とコミュニケーションをとるのが予想以上に難しく、上手くいかなかった。
しかし、体験してみて、さらに宇宙飛行士という職業に対して興味がわいた。憧れの毛利衛さんを始 めとする、歴代の日本人宇宙飛行士の写真を眺めながら、いつか自分もここに並びたいと思い、ワクワ クしながら施設を後にした。
そして今。僕は中学3年生だ。進路選択という大きな岐路に立たされている。担任はこう話していた。「あと半年で義務教育も終わりです。これから先は自分で進路を決めていくのです」と。
宇宙飛行士になるには、自然科学系の大学を卒業することが条件だ。そこで、今の自分にできること を考えてみた。苦手な英語や国語を勉強することや、理系の高校に進学し、専門的に学ぶことなど、職 業から逆算をすると、今の自分には何が足りていないかということや、何をすればいいのかということ がよく分かる。高校や大学は、宇宙飛行士になって月面探査をするという目標の通過点にしか過ぎない のだということも段々分かってきた。
自分の夢を叶えることは、思っているよりも数倍難しく、大変だと思う。だからこそ、僕は未来を逆 算して計画をたて、自分の夢を叶えたいと思う。