【佳作】
「仕事は自己実現の手段である。」恐らく日本で就職活動を経験したことがある人は良く耳にする言 葉だろう。大学3年生の終わり頃、将来について悩んでいた筆者は自分の過去を見返す意味で「自分 史」を書いたことがある。大学時代、オープンキャンパスを主催する学生団体に2年間参加し、その内 1年間は代表を務めたことがある。国際大学であるところから組織にはおよそ15ヶ国から集まった95人 の大学生が所属しており、私たちは高校生に将来の夢を実現するための選択肢として大学を紹介してき た。大学の魅力を伝える中、私の話を聞いて実際に入学を決める高校生も現われ、高校生から大学の後 輩になった彼らから感謝の言葉を頂いた時は非常に嬉しかった。このような過去の経験から「人の夢の 実現に役立つDream Maker」を目指し、将来の進路においてもこのような自己実現が可能な職業に勤 めたいと考えた。
現在、筆者が勤めている銀行は正にDream Makerとして活躍できる職場であると考える。法人営業 部では、新規事業や設備投資等を検討する企業に対して、事業計画について共に議論しながら与信判断 を行い、融資を実行する。このような手助けで企業が成功を成し遂げると、その企業に勤める社員の夢 の実現に役立つことができる。筆者はまだ2年目であり未熟な部分が多く、一人で法人営業部員として なすべき役割を果たせてはいないが、いつかは大学の後輩になった高校生から頂いた「ありがとう」と いう言葉を一人の銀行員としてお客さまから聞けるように尽力していきたい。
さらに筆者は次のステップとして国境を超えて世界で力を発揮するDream Makerを目指したいと 考えている。大学時代、学生団体のメンバーの中でベトナム出身の学生が一人おり、筆者は彼女から衝 撃的な一言を聞いたことがある。「ベトナムはオープンキャンパスのところか、学校に行くだけで山を越 えないといけない学生がたくさんいる。」筆者は事情を把握したく、いくつかのドキュメンタリー番組を 目にした結果、発展途上国における残酷な実情を知ることができた。教育は人々の夢の実現において欠 くことができない根本的な要素に関わらず、それが充実できていない環境の国は世界中に多くある。そ のため、私は国におけるインフラ設備に投資するプロジェクトファイナンス部門で精進し、誰もが夢の 実現に向けて一歩踏み出せる世の中を作っていきたい。それこそが筆者における「働くとは何か」に対 する答えであると考える。