【 奨 励 賞 】
私は仕事を通じて、「他者の人生の糧となるものを、一緒につくりあげたい」と考えています。
このように考えるようになったきっかけは、中学3年生の時です。当時高校受験を担当してくれた先 生はとても面倒見がよく、毎日学習の経過を一緒に見てくれました。また、受験が近づくにつれ、襲っ てくる不安や焦りで弱音を吐いてしまっても、前向きに気持ちを立て直すように声をかけてくれました。そのため、「その先生に恩返しをするためにも絶対合格しよう!」と、いう気持ちになり、最後の最後 まで粘り強く勉強することができ、結果として第一志望校には入れなかったものの、その勉強に励んだ 日々は、自分の中で最もベストを尽くせた経験となり、自分の自信にも繋がりました。そこで、自分も 担当してくれた先生のように、誰かの自信をつくる手助けをしたいと考えるようになりました。
また、その思いを抱いたもう一つの理由として、糧には、挫けそうなとき、自分自身を支えてくれる 力があると実感したことがあったからです。
それは、大学生活4年間の中で続けた塾講師のアルバイト中に、実感しました。大学3年生の冬、受 験間近であるのにも関わらず、自分の生徒の勉強に対するモチベーションをうまく引き出すことができず、悩んでいました。塾に通わせてくれる親の期待に背く生徒への怒り、また生徒のモチベーションを あげることのできないじぶんへの悔しさ、そして、どんな状況であれ、最後には合格を出してあげたい というプレッシャーに苛まれ、この状況から逃げたいと思うこともありました。そんなときに、高校受 験で最後まで勉強と向き合った日々を思い出すと、「あのとき、自分は最後まで投げ出さずに、勉強に向 き合い続けることができた。だから、今の自分も最後まで生徒を信じて、粘り強く応援してあげること ができるはずだ。」と、改めて思い直すことができました。その結果、最後まで生徒とともに勉強に向き合うことができ、その年の自身の生徒の合格率は88%という結果になりました。
このような思いから、私は「他者の人生の糧となるものを、一緒につくりあげたい」という気持ちを もとに、就職活動をしました。どんなに仕事をする環境や待遇が良くても、自分が社会に貢献したいこ とと、その会社が社会に対して貢献していることが異なれば、仕事をしている自分の姿に納得がいかず、 仕事のモチベーション低下にも繋がります。そのため、自分の思いと、会社の経営理念や方針を照らし 合わせて、自分の思いを実現することができる会社かどうか、見極めていくことが大事だと思います。
そこで、これから自分にとって最良の会社と出会うためにも、就職活動を始める前に、自分は他者の ために、どのようなことをしてあげたいか、どのような形でそれを提供していきたいか、考えていくと、 進みたい道が見えてくるのではないかと思います。もし、自分が他者にしてあげたいことが、うまく浮 かばないのであれば、どんなことをしているときが楽しいか考え、それをどのようにしたら他者の幸せ に結びつくのか考えてみるのも、いいでしょう。自分自身の想いをともに実現できる会社に入れば、働くことはとても楽しいことになります。私自身、「他者の人生の糧となるものを、一緒につくりあげることのできる仕事」をしている瞬間が、1番楽しいです。自分自身の思いを、発掘して、それを実現でき る環境をみつけて、楽しく働いていきましょう。