【 奨 励 賞 】

【テーマ:さまざまな働き方をめぐる、わたしの提言】
ママになっても
千葉県 田 端 彩 花 29歳

現在、私は一児のママになりました。家事と育児に追われ、いつの間にか夜を迎えているそんな毎日 です。無論、社会との繋がりもめっきり減りました。こんな私も3年前まではバリバリのキャリアウー マンだったのです。会社勤めをしながら、組織の中心になり、業務をこなしていた3年前。綺麗なスー ツに身を包み、コーヒーを片手にパソコンに向かう毎日。出産を機に退職した今はよれよれのパジャマ を着て、何で泣いているのか分からない子供を横に洗濯物を干す日々に変わりました。会社勤めをして いたあの頃は「ママになって、ゆっくり家事と育児を楽しみたい。そして、落ち着いたら仕事復帰をし たい。」と密かに思っていたものです。しかし、家事と育児の両立はそんな甘くはありませんでした。毎 日、イレギュラーはありながらも自分の計画通りに進む仕事とは打って変わって、家事育児は常にイレ ギュラー。急に予期せぬことが次々降ってくるのです。ママになったお陰で「忍耐力と柔軟性」は養わ れた気がします。それと引き換えに「大人との会話。社会との繋がり」を失っていました。毎日、家の中での話し相手は「赤ちゃん」。仕事復帰をして「大人と会話したい!」「社会と繋がりたい!」「社会に 貢献したい!」と強くフツフツと思うようになったのです。しかし、仕事復帰には数々の難題が待ち構 えています。まず、子供の預け先です。この問題は比較的、私達の住んでいる地域では待機児童が少な かったため問題はありませんでした。それよりも一番のネックになったのが就業時間でした。私が元職 場に仕事復帰する場合、シフト制の仕事のため、24時間制交代勤務になります。最近はママシフトとし 日勤枠が出来ましたが、良かったと思うのも束の間、現在ママとして勤務している社員が何人もいるた め、シフトの日勤枠が溢れてしまっていたのです。これでは余剰が出来てしまい、ママでも夜勤などの 勤務を取らなくてはいけなくなってしまいました。私はとても悩みました。「仕事に復帰して社会と繋が りたい。社会に貢献したい。でも、子供との時間よりも仕事を取っていいのだろうか。いや、なぜママ だけこんなことで悩まないといけないのだろうか。」と思い悩みました。そして、夫とも相談し、悩みに 悩んで一つの答えを出したのです。それは、もう少し子供が大きくなるまで「育児」を優先しようとい うことでした。もちろん、この問題が解決してくれれば、今すぐにでも仕事復帰をしたいというのが本 音です。しかし、夜勤などを取って、子供との時間を減らしてまで仕事を取ることが私には出来兼ねま した。

近年、「パパの育児休業」「待機児童問題」「在宅ワーク」「子連れ出勤」など様々な対策がなされてい ます。しかしながら、仕事内容によっては全ての対策が使えない職業もあるのです。

ママになってもまだまだ活躍したい若い人材がいても、子供が大きくなるまで全く社会に出られない 人材もいるのが現状です。日勤を二分割にするなど、短時間勤務でもっともっとママも活躍できる社会、 働きやすい環境を作ってほしい、いや、私が作りたいくらいの勢いです。私は、まず子供が幼稚園に入 る来年までは「育児」に専念します。そして来年は仕事復帰をして、ママになっても働きやすい環境改 革をしていける存在になっていきたいと思っています。社会に願うだけではなく、誰かが働きかけなく てはきっと解決の「か」の字も始まらない問題なのです。

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